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「無期転換ルール」について勘違いしやすい3つの事例

通算5年を超える有期契約労働者からの申し込みによって無期労働契約に転換される「無期転換ルール」の本格的な適用が、平成30年4月1日から始まりました。

トラブル防止のためにも無期転換ルールを正しく理解しておきたいところですが、次のように理解している方はいらっしゃらないでしょうか。

  1. 平成25年4月1日以前から勤務する有期契約労働者は平成30年4月1日に申込権が発生する
  2. 勤務期間が通算5年を超えるまでは申込権が発生しない
  3. 申込権を行使すると直ちに無期労働契約に切り替わる

これらはいずれも誤りですが、このように理解されてしまっていることも少なくないようです。

無期転換ルールのポイントを、今一度整理しておきましょう。

【誤解1】平成25年4月1日以前から勤務している有期契約労働者は平成30年4月1日に申込権が発生する

通算契約期間のカウントは、平成25年4月1日以降に締結した有期労働契約が対象となります。

そのため、平成25年4月1日より前から勤務していたとしても、例えば、毎年10月1日に1年契約の更新を繰り返している場合には、平成25年4月1日からではなく、平成25年10月1日から通算期間のカウントがスタートします。

この後も1年契約の更新を続けた場合には、平成30年9月30日で通算5年に達しますので、その翌日である平成30年10月1日に無期転換申込権が発生することになります。

【誤解2】勤務期間が通算5年を超えるまでは申込権が発生しない

無期転換の申込権は、「通算5年を超える有期契約を締結した時点」で発生します。

勤務期間が5年を超えた時点」や、「通算5年を超える有期契約が満了したとき」ではないことに注意してください。

例えば、採用時に6カ月の有期契約を締結し、その後、1年契約の更新を繰り返している有期契約労働者の場合、4回目の更新で通算契約期間が4年6カ月となり、5回目の契約更新で通算契約期間が5年6カ月となります。

申込権は、「通算5年を超える有期契約を締結した時点」で発生するため、申込権が発生するのは5回目の契約更新を締結したとき、つまり、勤続年数が4年6カ月(の翌日)の時点で申込権が発生します。

1年を超える期間で有期契約を締結している場合も注意が必要です。

労働基準法第14条は、一定の要件に該当する場合を除いて、契約期間の上限を3年間と規定しています。

もし、契約期間を3年とする有期契約を締結している場合には、1回の更新を行った時点で通算契約期間が5年を超えることになり、申込権が発生します。

【誤解3】申込権を行使すると直ちに無期労働契約に切り替わる

有期契約労働者から無期転換の申し込みがあった場合には、現在の有期契約期間が終了した日の翌日から無期契約の雇用契約を締結したとみなされます

現在の有期契約については、何も変わりはありません。

なお、労使双方の合意によって雇用契約を再締結し、直ちに無期労働契約に切り替えることは、もちろん可能です。

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