初任給からは何がどれだけ控除される?初任給における手取額の仕組み

初任給からは何がどれだけ控除される?初任給における手取額の仕組み

新入社員にとって待ち遠しい初任給。

初任給をもらったら何を買おうかと計画を立てている人も多いのではないでしょうか。

ただ、気を付けなければならないのが、いわゆる「手取額」。

給与は、基本給や手当などがその額面通りに支払われるわけではなく、様々なお金が控除された後の残りを手取額として支払われます。

法律に基づいて給与から控除されるお金には、

  • 源泉所得税
  • 住民税
  • 雇用保険料
  • 社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)

があります。

額面通りの金額が支払われないことが分かっていても、いざ初任給を受け取ってみると、思っていたよりも手取額が少なくてびっくりしてしまう人もいるかもしれません。

初任給における手取額について、基本を理解しておきましょう。

源泉所得税は社会保険料等を控除した後の給与額と扶養人数で決まる

源泉所得税の控除額は、その月の給与金額と扶養親族の数に基づいて、「給与所得の源泉徴収税額表」によって決定します。

給与金額は、社会保険料と雇用保険料(=社会保険料等)を控除した後の金額が基準になります。

通勤手当は、一定の金額(公共交通機関を使用する場合は月10万円)まで非課税として取り扱われ、給与金額に加算されません。

「月10万円」は、1ヶ月当たりの通勤手当の上限額です。通勤手当として6カ月定期の代金が支払われている場合には、1か月当たりに換算した通勤手当が10万円未満であれば、非課税通勤手当として取り扱われます。

扶養親族(配偶者、子供、両親など)がいる場合には、源泉所得税額は少なくなります。

源泉所得税は、その月の給与金額に基づいて算出されるため、残業代や出来高払い給が多い月は、源泉所得税の控除額も多くなります。

住民税は前年所得によって決まるため初任給からの控除はなし

住民税は、前年(1月~12月)の所得額に基づいて算出され、6月~翌年5月の給与から控除されます。

新入社員は前年所得がないため、初任給から住民税の控除はされません。

住民税の控除は、入社2年目の6月給与から開始されます。

住民税は、前年所得によって算出されるため、その月に支払われる給与金額には関係なく、毎月一定額が控除されます。(端数処理の都合上、6月のみ若干控除額が多くなります。)

雇用保険料はその月の給与支給額に基づいて算出する

雇用保険料は、その月の給与金額に雇用保険料率を乗じた金額が控除されます。

雇用保険料率(本人負担)は、0.3%(農林水産、清酒製造の事業、建設の事業は0.4%。平成30年4月1日現在。)です。

なお、雇用保険料は、非課税通勤手当に対してもかかります。

雇用保険料は、その月の給与金額によって決まるため、残業代や出来高払い給が多い月は控除額が多くなります。

社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)は手取額に最も影響する

社会保険料の控除額は「標準報酬月額」に基づいて算出する

社会保険料は、「標準報酬月額」に保険料率(健康保険料率・厚生年金保険料率)を乗じた金額が控除されます。

標準報酬月額は、給与額を区切りのよい金額ごとに区分したもので、採用時の給与額に基づいて決定します。(これを「資格取得時決定」といいます。)

例えば、給与額が23万円以上25万円未満の場合であれば、標準報酬月額は「24万円」になります。

標準報酬月額は、毎年1回見直される(=定時決定)ほか、昇給等によって給与水準が大幅に変わった場合にも見直しが行われます。(=随時決定)

定時決定や随時決定が行われない限り、一度決定した標準報酬月額によって毎月の社会保険料を計算します。そのため、残業代や出来高払給などでその月の給与支給額が多くなったとしても、社会保険料の控除額は変わりません。

社会保険料率(本人負担)は、地域や会社によって多少異なりますが、健康保険料率と厚生年金保険料率を併せて約14~15%になります。

初任給20万円の場合の控除額の目安は、源泉所得税が約4,000円、雇用保険料が約600円、社会保険料が約30,000円です。

条件によって多少変わりはしますが、源泉所得税や雇用保険料と比べると、社会保険料の控除額がダントツに高く、手取額を小さくしている主要因になっています。

4月中に初任給が支払われる場合は5月以降との手取額の差に注意

法律上、社会保険料は、毎月、前月分を給与から控除する(=翌月取り)こととされています。

4月1日に採用された新入社員の場合、4月から会社の社会保険に加入します。

「末日締め翌月10日払い」など、初任給の支払日が5月に到来する場合は、初任給から社会保険料が控除(5月給与から4月分の社会保険料が控除)が始まります。

しかし、「末日締め当月15日払い」など、4月中に初任給の支払日が到来する場合には、4月給与からは3月分の社会保険料を控除することになるため、初任給からは社会保険料が控除されず、5月給与から社会保険料の控除が始まります。

4月給与の手取額が多いと安心していると、5月給与からいきなり手取額が減ってしまうことになりますので注意してください。

なお、会社によっては、当月分の社会保険料を給与から控除している(=当月取り)ことがあります。

この場合は、4月給与から社会保険料の控除が始まりますので、5月以降の手取額と大きな差が生じることはありません。

まとめ

初任給の手取額について整理すると、次のようになります。

  • 源泉所得税と雇用保険料は、その月の給与額(源泉所得税は社会保険料等控除後の金額)によって控除額が変動する。
  • 扶養親族が多いと、源泉所得税の控除額は小さくなる
  • 住民税は前年所得に基づくため、初任給からは控除されない
  • 社会保険料は「標準報酬月額」に基づいて計算され、その月の給与額によっては変動しない
  • 社会保険料の控除は、原則として5月給与から始まる。
  • 社会保険料の控除額がダントツで高い

給与の手取額の仕組みをしっかり理解しておきましょう。

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