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18歳の誕生日が来ていなくても選挙権を持つ人がいる

7月10日に投開票が行われた第24回参議院選挙は、選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられてから初めて行われた国政選挙として注目を集めました。

東京では、7月31日に舛添要一前都知事の辞職に伴う都知事選挙が行われます。

東京都民で参議院選挙の選挙権を持っていた人は、引き続き大事な1票を誰に投じるかの判断を迫られることになりますが、その一方で、都知事選挙で初めて18歳として選挙権を持つことになる人もいます。

18歳に達しているかどうかは選挙の日(投票日)を基準に判定されます。

では、7月31日の都知事選挙で初めて選挙権を持つことになる人は、誕生日が何月何日までの人でしょうか?

結論から言いますと、8月1日が誕生日の人までが今回の都知事選挙で選挙権が与えられます。

「8月1日が誕生日だと投票日の7月31日はまだ17歳じゃないの?」

と思うかもしれませんが、実は、法律上、年齢は「誕生日の前日」に加算されます。

つまり、8月1日生まれの人は7月31日に18歳になるため、都知事選挙で選挙権が与えられるのです。

「年齢計算ニ関スル法律」と「民法」が根拠規定

法律上、誕生日の当日ではなく前日に年齢が加算される理由には、次の2つの法律の規定が関わってきています。

§年齢計算ニ関スル法律
第1項 年齢ハ出生ノ日ヨリ之ヲ起算ス

§民法
第143条(暦による期間の計算)
第2項 週、月又は年の初めから期間を起算しないときは、その期間は、最後の週、月又は年においてその起算日に応当する日の前日に満了する。(略)

これらの法律によると、年齢は、生まれた日を1日目(起算日)として数え始め、誕生日の前日(起算日に応答する日の前日)に1年が満了する(1歳加算される)ことになります。

したがって、8月1日が誕生日の場合は、7月31日の24時(深夜12時)の時点で年齢が加算されます。

7月31日の24時は、デジタル時計の表示では8月1日午前0時です。

しかし、法律上は7月31日の24時と8月1日の午前0時は別物であり、7月31日の24時に1年が満了して年を取り、8月1日午前0時から次の1年が始まります。

ゴールした時点で1周したことになる

法律を見ても誕生日の前日に年齢が加算される理由がわからない方は、トラック(運動場)を走って1周する場合に置き換えて考えてみましょう。

トラックを1周してきたと認められるのはどのタイミングでしょうか。

もちろん「1周目をゴールしたとき」であり、「2周目をスタートしたとき」ではありませんよね。

年齢を数えるときもこれと同じです。

1年の経過(トラックを1周)が認められるのは、誕生日の前日(1周目をゴールしたとき)であり、誕生日(2周目をスタートしたとき)ではありません。

そのため、誕生日の前日に年齢が加算されるのです。

社会保険では年齢の数え方は重要

選挙権が取得できる人を例に法律上の年齢の数え方を説明してきました。

社会保険の手続きでは、国民年金の資格取得や喪失の年齢や雇用保険の加入年齢など、年齢を基準に適用範囲が変わったり、資格の加入期間が変わったりするものが多くあり、どの時点で年を取るのかということは大変重要になってきます。

例えば、国民年金は「20歳に達した日の属する月」から加入します。

「20歳に達した日」とは、誕生日当日ではなく、誕生日の前日ですから、4月2日生まれ(=4月1日に20歳に達する)の人は4月から国民年金に加入しますが、4月1日生まれ(=3月31日に20歳に達する)の人は3月から国民年金に加入することになり、同じ月の生まれでも、国民年金に加入するタイミングは1か月の差が生じます。

年齢による資格取得や喪失のタイミングは、社労士試験でも論点として出題されやすい部分です。「誕生日の前日に年を取る」とただ暗記するのではなく、その理由も理解するように心がけるとよいでしょう。