国民年金の老齢基礎年金の受給資格期間を25年(300月)から10年(120月)に短縮する改正法案が、11月15日に、参院厚生労働委員会で可決されました。
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16日の参院本会議で成立する見通しとなっており、同改正法案が成立すれば、10年以上の受給資格期間がある方は、平成29年9月分から老齢基礎年金を受け取れるようになります。
年金を受け取るためには年金事務所への請求手続きが必要
老齢基礎年金は、偶数月(2,4,6,8,10,12月)に、それぞれ前々月分と前月分の2ヶ月分が支給されますので、平成29年10月に平成29年9月分が支給され、以後、偶数月に2ヶ月分(12月であれば10月分と11月分)が支給されます。
なお、老齢基礎年金は、年金を受ける資格ができたときに自動的に支給が始まるものではなく、ご自身で年金を受けるための手続き(年金請求)を行う必要があります。
新たに受給権を得ることになった方には、日本年金機構(年金事務所)から手続きの案内がくると思いますので、繰下げ受給を希望する方以外は、忘れずに手続きを行いましょう。
保険料納付期間が10年の場合の年金支給額は年額195,025円。ただし、これより年金支給額が少なくなる場合もある。
老齢基礎年金は、40年(480月)保険料を納付した場合に年額780,100円(平成28年4月現在)が支給され、納付月数が480月より少ないときは、次の計算式で算出した額が支給されます。
老齢基礎年金の支給額 = 780,100円 × ( 納付月数 ÷ 480月 )
したがって、10年(120月)の保険料を納付している人であれば、年額780,100円の4分の1(=120月/480月)にあたる年額195,025円(1か月あたり16,252円)が支給されます。
以後、保険料納付期間が1ヶ月増えるごとに、年金支給額は、年額約1,625円(1か月当たり約135円)ずつ増加します。
ただし、今回の法改正によって10年の年金受給資格期間を満たす方の中には、これよりも年金支給額が少なくなる場合があります。
年金受給資格期間は、保険料を納付している期間(保険料納付期間)のほか、「保険料免除期間(全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除)」と「合算対象期間(カラ期間)」も1ヶ月分としてカウントされます。
保険料免除期間や合算対象期間は、年金受給資格期間を見るときには1ヵ月分としてカウントされる一方、年金支給額の計算を行う際は、保険料免除期間は、全額免除の月は「2分の1」、4分の3免除の月は「8分の5」、半額免除の月は「8分の6」、4分の1免除の月は「8分の7」としてそれぞれ年金支給額に反映され、
また、合算対象期間は年金支給額の計算に一切反映されません。
そのため、10年の年金受給資格期間を満たしている場合であっても、保険料免除期間や合算対象期間も含めて年金受給資格期間を満たしている場合は、年金支給額は、年額195,025円(1か月あたり16,252円)よりも少なくなります。
経済的に保険料の納付が困難な時は必ず保険料免除申請を
保険料免除は、収入の減少や失業等により保険料を納めることが経済的に難しいときに、年金事務所に申請することで受けられます。
保険料を滞納した月と全額免除を受けた月は、どちらも保険料を納付していませんが、保険料を10年滞納していても老齢基礎年金は一切支給されませんが、全額免除を10年受けていれば年額97,512円(1か月当たり8,126円)の老齢基礎年金が支給されます。
保険料免除の要件に該当し、保険料を納付することが困難な場合は、必ず免除申請を行いましょう。