令和4年10月1日のパート社会保険適用拡大における「雇用期間要件の見直し」のポイント

法改正に伴い、2022年10月1日から、パートタイマーへの社会保険の適用が拡大されました。

適用対象となる事業場規模が「時500人を超える事業所」から「常時100人を超える事業所」に拡大されたことが大きな注目を集めていますが、パートタイマーの雇用期間要件についても見直しが行われています。

具体的には、「雇用期間が1年以上見込まれる者」から「雇用期間が2か月を超えて見込まれる者」に拡大されました。

これにより、500人以上の会社においても使用するパートタイマーについて新たに社会保険に加入させなければならない場合があり、注意が必要です。

雇用期間要件が「1年以上」から「2か月超」に拡大

変更前は「1年以上」のため、契約期間が1年の場合が含まれましたが、変更後は「2か月を超える」のため、契約期間が2か月の場合は含まれません。

ただし、最初の雇用契約期間が2か月以内であっても、

  1. 就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が「更新される旨」又は「更新される場合がある旨」が明示されている場合
  2. 同一の事業所において、同様の雇用契約に基づき雇用されている者が、契約更新等により最初の雇用契約の期間を超えて雇用された実績がある場合

のいずれかに該当する場合は、2か月以内で定められた最初の雇用契約の期間を超えないことについて、労使双方が書面(メールを含む)で合意している場合を除き、「雇用期間が2か月を超えて見込まれる者」として取り扱われます。

この場合、「雇用期間が2か月を超えたとき」からではなく、「最初の雇用契約によって勤務し始めたとき」から被保険者資格を取得します。

「契約期間2か月、契約更新無し」で採用したため社会保険の加入対象外としていたパートタイマーであっても、結果的に契約更新することになった場合は、最初の契約期間の始期から被保険者資格を取得させる必要があります。

(短時間労働者に対する健康保・厚生年金保険の適用拡険大Q&A 問38)

途中から週20時間以上になって加入要件に該当した場合は遡って被保険者資格の取得をしない

なお、雇用契約期間以外の加入要件として「週の所定労働時間が20時間以上であること」という要件があります。

こちらも「契約上は週20時間未満であったが、結果的に週20時間以上となって加入要件に該当する」という場合が考えられますが、この場合は、「2か月連続で週20時間以上となった場合に3カ月目の初日から被保険者資格を取得する」こととされており、契約当初に遡って被保険者資格の取得とはなりません。

(短時間労働者に対する健康保・厚生年金保険の適用拡険大Q&A 問32)