「休日」「休暇」「休業」「休職」の意味や性質の違いは?

労働者が仕事をしない日には、「休日」「休暇」「休業」「休職」などがあります。

必ずしも明確な定義がされているとは言えないものもありますが、ここでは一般的な意味や性質について解説します。

「休日」は元々就労義務がない日

「休日」は、「元々就労する義務がない日」です。

労働基準法第35条に定められている「法定休日」(週1日以上又は4週4日以上の休日)や、法定休日を超えて設けられた「所定休日」(週休二日制や祝日が休日の場合など)があります。

休日は、「元々就労する義務がない」という点で、「休暇」「休業」「休職」と大きく異なります。

「休暇」「休業」は就労義務が免除された日

「休暇」「休業」は、「就労義務が免除された日」です。

比較的短期間のものを「休暇」、長期間のものを「休業」と呼ぶことが多いですが、明確に区分する定義はなく、法的な性質としては同じものと考えて差し支えありません。

休暇・休業は、法律で義務付けられているものと、各企業が福利厚生等の目的で任意に設けているものがあります。

また、休暇・休業を取得した日の給与が支払われるか(有給か無給か)は、法律や会社の就業規則の定めによります。

主な休暇・休業には、次のようなものがあります。

主な休暇・休業 法定の有無 有給・無給
年次有給休暇 法定(労基法第39条) 有給
産前産後休業 法定(労基法第65条) 無給(出産手当金)
生理休暇 法定(労基法第67条) 無給
育児休業 法定(育児介護休業法第5条) 無給(育児休業給付金)
介護休業 法定(育児介護休業法第11条) 無給(介護休業給付金)
子の看護休暇 法定(育児介護休業法第16条の2) 無給
介護休暇 法定(育児介護休業法第16条の5) 無給
夏季休暇 法定外 無給
慶弔休暇 法定外 無給

当然のことながら、就労義務を免除できるのは元々就労義務があった日(所定勤務日)に限られるため、休日に休暇・休業を取得することはできません。

産前産後休業や育児休業などは、実務上、「5月1日から5月31日まで」のように一定期間を休業期間として申請することが通常ですが、実際に「休業(した日)」と言えるのは、当該期間中の所定勤務日のみとなります。

なお、出産手当金や育児休業給付金は、「休業期間中の日」に対して支給されるため、会社休日であっても支給対象日となります。

休職は就労義務が免除された期間で発令行為が必要

「休職」は、「就労義務が免除された期間」です。

休暇や休業が、就労義務を免除されたそれぞれの日を指すのに対し、休職は、開始日から終了日までの会社休日を含む期間全体を指します。

休職制度は、各企業が必要に応じて任意に設けているものであり、法律で義務付けられているものはありません。

主な休職制度には、

  • 病気休職(病気療養期間中の就労義務を免除する)
  • 出向休職(出向期間中に出向元での就労義務を免除する)
  • 留学休職(留学期間中の就労義務を免除する)

などがあります。

休職の開始及び終了(復職)には、原則として会社からの発令(休職辞令)が必要です。

休暇や休業が単なる申請や届出であるのに対し、休職は人事上の異動行為となります。