育児休業や時短勤務は何歳まで?会社が講ずべき出産育児に関する措置の内容と期間を確認!

労働基準法や育児介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)には、出産や育児をする労働者のための様々な就業措置に関する規定が設けられていますが、就業措置ごとに義務付けられている期間(子が何歳になるまで)が異なるため、労務管理担当者としては悩ましいところです。

出産育児に関して法律で定められている就業措置の期間について整理したいと思います。

出産育児に関する主な就業措置の一覧

出産育児に関する主な就業措置の内容と期間は下図のとおりです。

法律で義務付けられている就業措置の内容と期間

産前産後休業

産前産後休業は、出産予定日以前6週間(産前休業)と出産日後8週間(産後休業)の期間で、多胎妊娠の場合は産前休業の期間が14週間になります。(産後休業の期間は変わりません。)

産前休業は6週間以内で労働者から請求があった期間に限られます。産後休業は労働者からの請求の有無に関わらず就労させることができませんが、本人が就労を希望して、かつ、医師が認めた場合には、6週間まで短縮できます。

出産日が出産予定日よりも遅れた場合にはその分だけ産前休業が延長されます。なお、出産日当日は産前期間に含まれます。

育児時間

満1年に達しない生児を育てる女性については、その請求により、通常の休憩時間とは別に1日2回、それぞれ少なくとも30分の育児時間を与えなければなりません。

育児時間は休憩時間ではないため、必ずしも勤務時間の途中で与えることは要せず、始業時刻の直後や終業時刻の直前(実質的な遅刻や早退)に与えることも可能です。

育児休業

育児休業は、1歳(パパママ育休プラスの場合は1歳2カ月)に満たない子を養育する期間と、保育所に入れない等の一定要件に該当する場合に1歳6カ月及び2歳に満たない子を養育する期間について、労働者の請求に基づいて取得させることが義務付けられています。

看護休暇

看護休暇は、小学校就学始期までの子について1年に5日まで(当該子が2人以上の場合は10日まで)、病気・けがをした子の看護又は子に予防接種・健康診断を受けさせるために取得できます。

看護休暇の取得単位は1日又は半日です。半日単位での取得は所定労働時間の2分の1が原則となりますが、労使協定で別の定め(昼の12時を挟んでそれぞれ前後を半日とするなど)をすることも可能です。

所定外労働の制限

3歳に満たない子を養育する労働者がその子を養育するために請求した場合においては、所定労働時間を超えて労働させてはなりません。

「所定労働時間」を超える労働が禁止されるため、法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えているかどうかにかかわらず、会社が定めた所定労働時間(1日7時間など)を超える労働を行わせることができません。

時間外労働の制限

小学校就学始期に達するまでの子を養育する労働者が請求した場合においては、36協定の内容にかかわらず1カ月24時間、1年150時間を超えて時間外労働を行わせることができません。

前述の「所定外労働の制限」と違って、会社が定めている所定労働時間に関係なく法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて行わせた労働時間のみが上限時間(月24時間、年150時間)の対象となります。所定労働時間が1日7時間の会社で終業時刻を1時間超える労働(1日8時間の労働)を行わせたとしても、上限時間数には影響しません。

深夜労働の制限

小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が請求した場合においては、深夜労働(22時~翌5時の労働)を行わせることができません。

短時間勤務制度

3歳に満たない子を養育する労働者であって育児休業をしていない者について、1日の所定労働時間を原則として6時間とする短縮措置(一定の要件に該当するため短縮措置の対象外となる労働者については代替措置)を講じなければなりません。

代替措置を講じる場合は、つぎのいずれかの措置を講じる義務があります。

  • 育児休業に関する制度に準ずる措置
  • フレックスタイムの制度
  • 始業又は終業の時刻を繰り上げ又は繰り下げる制度(時差出勤の制度)
  • 労働者の養育する子に係る保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与

法律で努力義務とされている就業措置の内容と期間

育児休業、所定外労働の制限、短時間勤務

育児休業、所定外労働の制限、短時間勤務は一定の年齢に達するまでは義務となりますが、義務期間を経過した後から小学校就学始期までの期間はこれらに準ずる制度を導入することが努力義務とされています。

1歳(1歳6カ月又は2歳)を超えて利用できる育児休業を導入した場合、子が3歳に達するまでの育児休業については、保育所に入れない等の延長事由があるかどうかにかかわらず社会保険料の免除を受けることができます。

子が3歳に達した以降(小学校就学始期まで)の育児休業については、社会保険料の免除の対象となりません。

始業時刻変更等の措置

会社は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、始業時刻変更等の措置を講じることが努力義務とされています。

始業時刻変更等の措置とは、次のいずれかの措置をいいます。

  • フレックスタイムの制度
  • 始業又は終業の時刻を繰り上げ又は繰り下げる制度(時差出勤の制度)
  • 労働者の養育する子に係る保育施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与

これらの措置を講じることは原則として努力義務にとどまりますが、前述の短時間勤務制度の代替措置を講じる必要がある場合は、措置を講じることが義務であることに留意してください。

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