新年度が始まり、今年も多くの企業や官公庁で入社式や入庁式が行われ、多くの方が新社会人としての生活をスタートさせました。

新社会人としてこれから勉強していかなければならないことはたくさんあると思いますが、その中で是非知っておいていただきたいものの一つに「社会保険」があります。

会社に勤務していると様々な社会保険に加入することになります。

社会人として、自分が加入している社会保険について最低限の知識は持っておきましょう。

社会保険には広義と狭義の2つの意味がある

「社会保険」という言葉には、広義狭義の2つの意味があります。

広義の社会保険は、民間の保険会社などが提供している保険に対して国(社会)が提供している保険という意味で用いられ、次の5つの公的保険の総称です。

  • 医療保険(健康保険、国民健康保険など)
  • 介護保険
  • 年金保険(国民年金、厚生年金など)
  • 雇用保険
  • 労災保険

広義の社会保険に含まれる5つの公的保険のうち、雇用保険と労災保険は働いている人のみが加入する保険であり、この2つを総称して「労働保険」といいます。

一方、医療保険、介護保険、年金保険は、働いているかどうかには関係なくすべての人が加入する保険であり、これら3つを総称したものが「狭義の社会保険」にあたります。

一般的には、「社会保険」という言葉が用いられている場合、「狭義の社会保険」を指していることが多いのではないでしょうか。

広義と狭義を使い分けていないからと言って困ることはほとんどないと思いますが、労務担当部署に配属された方などは範囲の異なる2つの意味があることを知っておいた方がよいでしょう。

健康保険、厚生年金、雇用保険は本人負担があるが労災保険は本人負担なし

社会保険(広義)のうち、新社会人が関係することになるものは、「健康保険(医療保険)」「厚生年金(年金保険)」「雇用保険」「労災保険」の4つです。

「介護保険」は40歳以上65歳未満の人が加入する保険のため、ほとんどの新社会人にとっては当面加入することのない保険になります。

保険料の取扱いや負担は、それぞれの保険ごとに異なります。

健康保険・厚生年金

健康保険料と厚生年金保険料は、会社と社員がその半分ずつを負担しており、本人負担分は毎月の給与や賞与からの控除(天引き)によって会社に徴収されます。

法律上、本人負担分の控除は前月分の保険料について行われます。つまり、4月の給与からは、3月分保険料の本人負担分が控除されます。

4月1日から4月30日までに入社した新社会人は、4月から会社で健康保険や厚生年金に加入することになります。

そのため、5月に初任給が支払われる場合は、初任給から本人負担分(4月分)の控除が行われますが、4月に初任給が支払われる場合は、初任給からは本人負担分(3月分)の控除は行われず、5月の給与が本人負担分(4月分)が控除される最初の給与になります。

ただし、会社によっては当月分の保険料を給与から控除していることがあり、その場合は、初任給の支払いが4月中であっても本人負担分(4月分)が控除されることになります。

当月分の保険料を控除する取り扱いは法律上は正しくありませんが、社会保険の仕組みが分かりにくいこともあり、多くの会社でこのような取り扱いがされています。

法律の規定よりも本人負担分を1ヶ月先取りされていることになりますが、通常、退職時にこのずれが調整されることになります。

雇用保険

雇用保険料は「失業等給付の雇用保険料」と「雇用保険二事業の雇用保険料」に分けられます。

「失業等給付の雇用保険料」は会社と社員が半分ずつを負担し、「雇用保険二事業の雇用保険料」は会社が全額を負担するため、本人負担額よりも会社負担額の方が少し多くなります。

雇用保険料の本人負担分も毎月の給与から控除されますが、健康保険料や厚生年金保険料と異なり、給与が支払われるごとに本人負担分が控除される仕組みになっています。

そのため、初任給から本人負担分の控除が行われ、その後も給与が支払われるたびに本人負担分が控除されます。

労災保険

労災保険料は、会社が全額負担することになっているため、本人負担はありません。

給与から控除されていないからと言って「労災保険に加入させてもらってない!」と勘違いしないよう気をつけましょう。

知らないと損することも。一般常識として最低限のことは知っておこう。

社会保険は、万が一の場合に備えた「保険」であり、普段はあまり意識しないものかもしれません。

しかし、いざという時には必ず必要となるものであり、給付の種類や内容などについて最低限の知識を持っていなければ、受けられたはずの保険給付を受けられず損をしてしまうこともあり得ます。

概要だけでも構いませんので、社会人の一般常識の一つとして是非身につけておきましょう。